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Azolt MMDWorks

村雨PinkCatメイキング~アニメ風MMDの作り方②前編~

2016-03-06 04:58:14
第16回MMD杯で投稿した村雨嬢が良い感じのアニメ風質感できたので、参考までに手順を解説します。



 まずは前回解説したアニメ風にする手順をおさらいします。

 アニメ風にする手順は、

 ①モデルのテクスチャを単色化する
 ②シェーダーを適用して調整
 ③ポストエフェクトで仕上げ


 となります。
 今回は②について解説します。

 それでは早速、前回テクスチャをいじったモデルをMMDに読み込んでみましょう。



 これにシェーダーを適用します。
 お借りするのは、下っ腹P様のG_ToonShaderです。



G_ToonShader Ver3 解説 カスタマイズ編
http://3d-da.jp/mmd/mme/g_toonshader-v3-2
まずは上記リンク先の記事を読んで、さらっとこのシェーダーの仕様を頭に入れてください。

 さて、このシェーダー。
 ファイルを解凍して中身を開くと、なにやらフォルダがたくさん入っていますね。試しにひとつ開いてみると、中には膨大な数のfxファイルが。

      

         

 実はこれ、下っ腹P様自らが様々なシチュエーション向けにあらかじめシェーダーを用意してくれています。バリエーションについては、「ライトプリセットについて.txt」で説明されています。
 とはいえ、理想の質感を手に入れるには、そのモデルに合わせて設定値を調整するのが一番です

 「00-RGB」フォルダをコピーして、オリジナル設定用のフォルダを作ってください。中のfxファイルは最低限のものを残して削除します。

  
 だいぶすっきりしました。「GTS_00_M1S1.fx」がシェーダー本体です。
 どんな感じのシェーダーなのか、試しにモデルへ適用してみましょう。



 全体的に青白くなってしまいましたね。やはり設定が芳しくないようです。

 下っ腹P様の解説でも説明されていますが、このシェーダーはfxファイルの設定云々の前に、色のベースとなるテクスチャをいじる必要があります。
 そのテクスチャというのが、「tex」フォルダの下にあるこれ

  
 この正方形の各部分の色が、モデルの色に影響してきます。
 4色ありますが、

 左上がベースカラー
 右上がシャドウカラー
 左下がエッジライトカラー
 右下がハイライトカラー

 となっています
 全体的に青白かったのは、上の2色が原因のようですね。早速調整しましょう。

 やり方は①の内容でやったように、モデルのテクスチャをGIMPに取り込み、スポイトで色を採取して塗りつぶせばOKです。
 個人的には、ベースカラーは若干薄め、シャドウカラーはそこそこ濃いめに色調補正してから塗りつぶすと、より良い感じになると思います。

 以上をふまえて、用意したテクスチャがこちら。
  
 ベースカラー、シャドウカラーはそれぞれ肌から色を採取して調整しました。エッジは無難に白。ハイライトは髪から採取しています。
 このテクスチャをシェーダーに読み込むと、こんな感じになりました。




 当然まだ不満はありますが、色味については少し改善されました。
こんな感じで、各パーツ用にテクスチャを用意し、パラメーターをいじって理想の質感を作ってください。

 私が調整した質感がこちらです





 だいぶ様変わりしましたね。いきなり段階すっとばし過ぎだろ、とツッコミが入りそうですが…

 顔、肌、髪、服でそれぞれ以下のようなテクスチャを用意し、シェーダーを分けています。
肌は全体的に薄めの色相です。他2つは、先ほど作ったテクスチャのエッジカラーとハイライトカラーを変更しています。

    

 参考までに、顔用シェーダーのパラメーターです。


 赤みをつけたいのでスキンモードをON。ハイライトはあまり目立たないよう、小さめに設定しています。

 
重要なのは、影パラメーターです

 なるべく低めに設定してください。
 陰影をしっかりつけることで、立体感が出ます
 SSAOなどのエフェクトをかけると、質感があがったなように感じるのはこのためです。
女性キャラは、顔や肌を暗くし過ぎると可愛くなくなるので0.5に抑えていますが、男性キャラはがっつり低めで問題ないでしょう。女性キャラでも、服やその他の部分については低めに設定してください

 試しに、影パラメーターの値を0.8と高めに設定してみると、その差は歴然です。



 途端に下書きっぽい感じに戻ってしまいましたね。可愛い可愛くないは別として、画としての魅力に欠けます。

 さて、ここまでの内容をまとめると

 ①モデルに適した色のベーステクスチャを用意する
 ②パラメータ調整をする。特に、陰影をしっかりつけることで質感があがる


 ということになります。

 G_ToonShaderについての解説は以上です。しかし、シェーダーの解説自体はまだ終わりません。今回は前編でした。

 次回は「嘘影」について解説します。
 それではまた。






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