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投稿動画関係

【板挟みの館】 クトゥルフシナリオ

2015-10-31 01:00:43

投稿者の文
○はじめに
この記事は、シナリオ【板挟みの館】の内容です。もともと卓内でしか回す予定が無いシナリオだったので、読みにくい文もある(自分にさえ分かればいい)と思いますが、何卒ご了承をば。
時折ある「」は、多分演出やRPの補足のようなものだと思います。文句や罵詈雑言はシナリオ作成者に言ってください。私は悪くない…!私は悪くないよ…!
このシナリオを使用した動画の作成及び投稿はご自由にどうぞ。許可を取る必要はありません。ただし、シナリオ作成者を騙る行為はご遠慮ください。しかし、シナリオ作成者(酔っぱらい卓)を記載する、記載しない、はご自由になさって構いません。

シナリオ内容
●記載説明

時折『<非公開情報>』と記載されているが、何を公開して何を非公開にするかはその時のKPに委ねる。難易度の調整や情報の調整が必要だと思われるからだ。

○NPCデータ

黒い子山羊

  STR 44 CON 17 SIZ 44 INT 14 POW 18

  DEX 17 移動 8 耐久力 31 ダメージボーナス +4D6 MP 18

  MPは24時間で元に戻る

  触肢にかぎり1ラウンドで4回攻撃可能

 

  武器 触肢 80% ダメージ 4D6 およびラウンドごとにSTR 1D3吸収

     STRの回復不可

     踏みつけ 40% ダメージ 〔2D6+4D6〕


 技能 忍び歩き 60% 森の中に隠れる 80%


 正気度喪失 1D3/1D10


 装甲 どんな火器でも1ポイントのダメージ 貫通の場合2ポイント

    ショットガンは最低値 近接は普通にダメージ

    熱 爆風 腐食 電気 毒 等は無効 


 呪文 恐怖の注入(IMPLANT FEAR)

    呪文の対象になった者は、突然、魂も凍るような恐怖心にとりつかれる。

    突然の恐怖心にみまわれた犠牲者は、そこで仕事の手も止めてしまうし、

    集中することもやめてしまう。

    効果 対象に 0/1D6 のSANチェック

       対象は 1ラウンド行動不能

       使用者は 12のMP減少


備考  「森に何か黒いものがあった。何か、木とは少し違う。大きくて黒くて木のてっぺんに四本の太い幹と、何本ものロープをつけているような何かがうずくまるようにしているのだ。……全体は黒く、いくつもの口が付いており、そこから緑色のよだれがしたたり落ちている。ネバネバしたゼリー状の木の怪物だった。怪物はヒヅメの足と多くの口と蛇のような腕で、這い上がるというかずり上がってきた。体中からは墓場を開いたような臭気が漂ってくる。体長は五メートルほどあり探索者を見下ろしている。……それはこの世のものとは思えない、あまりにも現実離れした光景だった。

ホウホウというような声や、大きな唸り声をあげる。


吸血鬼 〈ノエル・フレンジャー〉職業:犯罪者 男 年齢不詳 20代中盤に見える

 STR 24 CON 24 SIZ 15 INT 24 POW 22

 DEX 24 APP 18 EDU 18 アイデア 99 幸運 99

 知識 80 移動 10 耐久力 20 ダメージボーナス +1D6 MP 22

 MPは24時間で元に戻る

 

 武器 なし

 

 技能 言いくるめ 80% 忍び歩き 80% 目星 90% 変装 81%

    鍵開け 71% 聞き耳 90% キック 70% 組みつき 60% 

    マーシャルアーツ 71% こぶし/パンチ 50%

 

  正気度喪失 体が霧状になる姿を見た場合 0/1D6


  装甲 体を霞状にしながら回復する。1ラウンドごとに1D3の回復。

     夜は1ラウンドごとに1D6の回復。

     耐久が0になった場合耐久が戻るまで完全な霞になる。回復まで1日かかる。

     霞は意志を持って動くが、対象に攻撃することはできず、また攻撃されない。

     霞を掃除機等で吸い込むことができる。その場合掃除機の中で体は元にもどる。

     日の光が直接当たる場所では霞状になれない。耐久が0になると死亡する。


  呪文 消滅(VANISH)

     呪文の使い手がフワッと煙のように消えたり、あるいは前もって準備しておいた箱のそばへ瞬時に戻ってきたりできる呪文である。

     場所は呪文の使い手の体の要素、たとえば毛髪、歯、爪などの入った箱でできた護符を作ることによって決められる。箱が準備できたら何度でも〈消滅〉の呪文をかけることができる。箱が破壊された場合、あるいは開けて中身がばらまかれた場合効果がなくなる。もう一度呪文を働かせるためには、もう一度箱を作らなければならない。

     効果 箱のそばに移動できる

        呪文の使用には2秒必要

        箱を作るには2POWと1日と使用者の体の一部が必要

        2つ以上の箱を用意することも可能

        5MPと1のSAN値が必要


砂に潜むもの

  STR 11 CON 13 SIZ 17 INT 11 POW 11

  DEX 13 移動 8 耐久力 15 ダメージボーナス +1D4

  かぎ爪を二本同時に使うことができる

 

  武器 かぎ爪 30% ダメージ 1D6+1D4 


 正気度喪失 0/1D6


 装甲 3ポイントの固い皮膚


 技能 隠れる 60% 忍び歩き 50% 目星 50%


 備考

「部屋から出てきたのは一匹の砂に潜むものだった。ザラザラした皮膚、大きな目、大きな耳を持ち、どこかコアラに似たところのあるゆがんだ恐ろしい顔をしていたが、体はやつれ果てたような感じがあった。そいつは明らかな敵意で探索者の方にヨロヨロと近づいてきた」


佐々木 祥子(榛名)職業:私立探偵 女 23歳

  STR 6 CON 6 SIZ 10 INT 17 POW 3

  DEX 7 APP 18 EDU 20 アイデア 85 幸運 15

  知識 99 移動 8 耐久力 8 ダメージボーナス -1D4 MP 3

  MPは24時間で元に戻る


持ち物 榛名の部屋の鍵、カメラ、手鏡、ノエルの部屋の鍵


技能 言いくるめ 85% 鍵開け 81% 写真術 70% 心理学 85% 

図書館 80% 応急手当 75% 変装 91% 説得 55% 隠れる 50%

    クトゥルフ神話技能20%





シナリオ


●導入

 探索者は森の中にある館を訪ねることになる。その理由はどういったものでも構わないが、森の外に協力者がいる必要が(シナリオ上)あるので、その協力者から依頼された、という流れが適切であろう。

 また、戦闘系の職業の探索者と、調査系の探索者がいる場合、調査系の探索者が用心棒として戦闘系の探索者を斡旋されたとすれば探索者同士が親しみやすい。
「クトゥルフは協力するシステムだ。だからお前ら、争うんじゃない。仲間を斬り殺そうとするんじゃない。ああ、導入で仲良しな感じを出していればこんなことには…」

館の噂

 森の中にある館について様々な噂がある。行った人は戻ってこない。行ったら頭がよくなる。別人のようになって戻ってくる。隠れ家に優れている。どんなものでもいいので、職業に応じた噂が流れていることにしておく。この時にほかの探索者と噂が矛盾していても構わない。また、かつて警察が調査に行ったことがあるが、異常なしと判断された。このことは、探偵や警察が知っていてもいいし、それでも怪しいので調査を依頼する、といった内容でもいい。
「どんなPCにだって望みや好奇心はあるだろう?もし無かったら…本能だな。本能でこの館に向かうんだ」

<非公開情報>「噂の真相」

 様々な噂が流れている理由は館の主である吸血鬼が完全に支配した人間を外に放ち、より多くの人間を館に呼び寄せるために噂を流しているからである。しかしあまりに多くの人間がきすぎると自分の正体がばれ、危険になるのであくまで噂程度にとどめておき、物好きのみが来るようにしてある。物好きはたいてい少人数で来るからでもある。また、調査に来た警察も完全に支配され、変に調査員が来ないように異常なしと警察に言わせた。
「一種のマルチ商法だ。館に来ても詐欺にあっても人生が悲惨なことになる」

森の道中

 館に行く際は森を通って行かなければいけないが、徒歩で来た場合は途中で異臭に気付くかどうかは〈聞き耳〉を嗅覚と同等に扱いロールさせればよい。乗り物に乗った場合は気付かないが、窓を開けている等の描写があればロールさせてよい。成功すれば、何かが腐ったような、異臭に気が付く。
「このシナリオは実際にセッションを行い、その後何度か改定をしている。いたんだよ、キャンピングカーで館に突っ込もうとした奴が。『あー!徒歩で来たら情報が手に入るのになー!是非徒歩で来るといいよ!くれぐれも乗り物は使わない方がいいよ!』とでもPLに言おう。フリだと思ってしまうかもしれないが」

<非公開情報>「森に潜むもの」

 森には黒い子山羊がおり、館とは少し離れた場所にいる。そのため館の前で車から降りた場合その異臭に気付かないが、徒歩で来た場合は館につく途中で森の異臭に気付くことができる。ただし、まだこの時に黒い子山羊を発見することはできない。また、黒い子山羊がこの時点で襲ってこないのは、吸血鬼から館から出てくるもののみを生贄にするようにといいつけられてあるからである。したがってこの時点で黒い子山羊は探索者を避ける。
「なんでこの時点では気が付けないのですか?」
「シナリオの都合」

館の歓迎

 館に到着すると、まず目に付くのが館の形の不自然さである。〈目星〉もしくは〈アイデア〉に成功した探索者は、

・その不自然さの原因が、館が白く、四角形で、館というよりは事務所のようなイメージが強いからである、ということに気が付く。また、

・二階北東の窓が木を打ちつけられて塞がれていることがわかる。

館のチャイムを鳴らすと、美人で薄幸そうなメイドが出迎えにくる。彼女の名前は佐々木祥子。そして館の主であるノエル・フレンジャーのところに案内する。案内途中に探索者はいくつか質問していい。案内するときにノエルのことを聞かれた場合、あまりいい印象を受けていないように探索者に言う。ノエルのところにつくと

・好きなだけ館にいていいこと

・登山は来る時と帰る時に景色が変わって見えて迷いやすいので気を付けること

・何かあったらベルで榛名を呼ぶこと

・二階はつくりがもろい場所があるので、いかないこと

・あまり館内を荒らさないこと

五つを教えるとベルを渡す。その他何か聞きたいことは無いかと聞き、祥子のことを聞かれた場合、ノエルも榛名に対してあまりいい印象を受けていないよう言う。そして一人一部屋になるように部屋を案内する。探索者が強く一人一部屋を拒む場合拒ませていい。その後、祥子が部屋へ案内する。
「館の主ノエルも、館のメイド祥子も、APPは18である。だが、仮にPCのAPPが3だからといって、二人がPCに冷たく当たるようなことはしない。ただし、”PL”のAPPが18で、かつKPと同性の場合は除く」

<非公開情報>「二人の思惑」

 館はもともとシュブ=ニグラスの教団が使っているものをノエルが乗っ取ったため、事務所のような形になっている。中は多少ノエルによって館のように改装されている。祥子が出迎えに来るのはメイドとしての役割と、ノエルが用心深いため、日の光の当たるところで何かされてはとんでもないと思い、祥子を出迎えにむかわせている。ノエルと祥子は館に来た人物が二人まとめて不信感を抱かれないように、あえて敵対関係を演じることによってどちらかは探索者に取り入ることができるようにしている。好きなだけ館に居ていいのは、いればいるほど吸血のタイミングが増えるから。森が迷いやすいのは、黒い子山羊によって下りの風景が変わることに違和感を覚えにくくさせるため。ベルを渡したのは、祥子に行動を監視させるためである。一人一部屋を望むのは、そうした方が吸血するとき安全性が高まるためである。
「クトゥルフでNPCがPCを家に泊める時、そのNPCは善人に見える悪人か、善人に見える善人であることが大半だ

●館の探索

 部屋に案内されて以降、探索者たちは自由に館を探索することができる。ただし朝食もしくは昼食・夕食・睡眠の三つをすべて行わないと判定にマイナス補正がかかる。技能は一つ行わないと-10補正。食事をしていない場合は食事をとることによって元に戻る。睡眠をとっていない場合は睡眠をとることによって元に戻る。ノエルは毎回リビングで食事をとり、探索者も誘う。探索者が断った場合は祥子に部屋へ食事を持っていかせる。祥子はノエルと探索者の食事が終わると使用人室で食事をとる。<ここより非公開情報>また夕食には睡眠剤が入っている。〈芸術:料理〉〈聞き耳〉が成功すれば料理に異物が入っていることに気付き、〈薬学〉が成功すれば睡眠剤が入っていることに気付く。夕食をとってしまった探索者は深夜に眠らないことを宣言する場合〈POW12の対抗ロール〉に成功しなければならない。時間が進むたびに値を一つずつ増やして対抗ロールする。
「腹が減ったり眠らなかったりしたら、当然全力は出せない。一日一食で過ごせる、というのを私は認めない」

○時間の進行

 時間の進行は朝→昼→夕方→夜→深夜という順で時間を進行し、深夜に睡眠するのが通常である。朝食は朝の最初、昼食は昼の最初、夕食は夜の最初に行う。このことは探索者に知らせた方が進行はスムーズになるだろう。一つの時間にどれほど行動していいかはKPの裁量による。PCが少ないならば多く行動させるといいだろう。
「人数が多かろうが少なかろうが経つ時間は変わらない。でも、ほら、これはゲームだし」

○<非公開情報>吸血

ノエルは一日二回一人でいる探索者を寝ているとき(探索者が睡眠時間をずらさなければ深夜)に〈目星〉〈聞き耳〉〈忍び歩き〉を使いながら慎重に近づいて、吸血を行う。一度吸血を行えば、ノエルの発言に強制感を受けて、ノエルとの〈POW対抗ロール〉に成功しなければノエルに従ってしまう。二度目の吸血を行った場合、強制感を感じるのに加え、時間二つにつき一時間ほど体と精神の操作権を完全に奪われる。合計で一時間ではなく連続で一時間なので、時間を分割して、一分しかを操作しなかったからといって、一時間後に残りの59分操作できるわけではない。二回目の吸血を行われた後にPCの技能を自動的に失敗させたり、PCの意図とは違う発言や別の場所を探索したりすることがあるが、PCはそのことに気が付くことはできない(うまくRPして自然に)。もちろんKPが意図的に体だけ操って気付かせることも可能である。三度目の吸血を行った場合、PCの操作権は完全にKPのものとなりキャラロストしてしまう。ここで新しくPCにキャラを作らせてもいいが、終盤近くなら、あえてPCにそのまま操作させ、最後に他の探索者たちを裏切らせ、今まで自分で動いているつもりだったが、実はそれはノエルの思い通りに動いているだけだった、と知らせるのも面白いだろう。また、一度目の吸血の後ノエルが死亡した場合吸血を受けた者は極度の疲労感に襲われ、二度目の吸血の後ノエルが死亡した場合耐久力が半分になる。体中から血が流れ、筋肉の線が切れる。三度目の吸血の後ノエルが死亡した場合は体がぼろぼろと崩れ去り、その場に肉塊をさらすことになる。その光景を見た者は〈1/1D4+1のSANチェック〉を行う。これは吸血を行う際、自分の血を加え、人間の身体を自分の血によって構成させるためである。そしてノエルの血は、ノエルが生きていていることによって活動できる。三度目の吸血の後は体のほとんどがノエルの血でできてしまい、その血によって体を構築していくためノエルが死亡すると、その体を保てなくなる。そのかわり通常より大きな身体能力や知力を発揮できたり、寿命が大きく伸びたり、老けにくくなったりする。
吸血の際、ノエルは客室へと侵入してくるが、睡眠剤を摂取したものは一切気づかない。摂取していないものは〈聞き耳〉の半分で気付くことができる。(眠っている状態の場合。起きていたら気が付くだろう。起きている人物のところにはそもそもノエルが向かわないが。)
「PC達は皆寝ましたか?それでは…(lt;目星gt;lt;聞き耳gt;lt;忍び歩きgt;のダイスロールの音)」
「KP、今のはなんのダイスですか?」
「さあ?なんのダイスでしょう?」

○<非公開情報>祥子の報告とノエルの食事と睡眠

 祥子は深夜に探索者たちの行動をノエルに報告する。ただし、探索者たちが睡眠剤の入っている食事を祥子に食べさせた場合は深夜に報告せず、翌朝に報告する。ノエルの食事は人間と同じものを食べる。吸血を行うのは血が人間の食事よりもずっと美味だからである。ノエルは睡眠剤入りの食事を食べても眠らない。そもそも睡眠を必要としない。
「この睡眠薬を摂取すると副作用無く深夜限定で速やかに夢の世界へ旅立てます。(ただし人間に限る)」

<探索情報>ノエルの収入源

 ノエルは館に来た人間を完全に支配した後に持っている金をとったり、外に放した人間に金を持ってこさせたりしている。それを探索者たちに言うことはできないので、持っていたたくさんの骨董品が高値で売れた、とか親の遺産が入った、などと言っておこう。ちなみにノエルは日本生まれであるが、その日本人離れした容姿からフランス人だといっている。フランス語は少しわかる。館にある食料や家具はすべて外に放った人間が持ってきたものである。十分なたくわえがある。
「フランス語は少しわかる。大学生が第二外国語でフランス語を選択し授業で学んだ程度に」

レスキューを呼ぶ

時代設定が現代である場合探索者がレスキューを呼ぶ可能性があるだろう。その場合はレスキューを黒い子山羊が殺しにかかる。
「おや?レスキュー隊が死んでますね。きっと空から落ちてきて落下死したのでしょう。つまずいて頭を打って死んだかもしれません」

投稿者文
ここから先に地図が描かれていましたが、ブロマガへの添付ができなかった(添付の仕方がわからなかった)ので地図は省略します。おそらく、文章だけでもわかると思います。すまぬ…すまぬ…あなた自身で地図は補完しておくれ…


<非公開情報>ノエルと佐々木祥子の基本行動
ノエル
朝:部屋とリビングを右往左往 昼:朝と同じ 夕方:朝と同じ 夜:朝と同じ 深夜:部屋と祭壇を右往左往
祥子
朝:朝食の準備と屋敷内の掃除 昼:昼食の準備と庭園で水やり 夕方:各部屋の掃除と夕食の準備 夜:使用人部屋で休憩 深夜:ノエルに報告後祥子の部屋で就寝
「ノエルの年齢はきっと80過ぎぐらいだ。80過ぎの人間は大体こんな行動をとる。私もいずれそうなる。80過ぎまで生きることができたらの話だが」

一階
・ノエルの部屋
シュブ=ニグラスの祭壇<最初はわからない>
リビング
使用人室
キッチン
トイレ
倉庫
パソコン室
冷蔵室および冷凍室
祥子の部屋<最初はわからない>

一階の情報

至って一般的なに見えるが、ところどころ住みやすいように改装されたところがうかがえる。すなわち、もともと住むことを想定して作られていないのだ。このことは〈目星〉〈地質学〉〈物理学〉に成功したらわかる。
「別に目星があれば地質学も物理学もいらない。でも、いるだろ?目星を無視してでもそういうのを取りたがる奴が」
①ノエルの部屋

深夜に行くとノエルに祥子が一日の報告をしているが、〈忍び歩き〉を成功させないとノエルの〈聞き耳〉にばれる可能性は高いだろう。

ノエルの部屋の鍵は常にノエルと佐々木祥子、或いはノエルが持ち歩いている(KPがどちらか決めてよい。難易度をあげたければノエルに持たせる)。錠が古式の独特な形をしているので空ける場合には〈鍵開け-20〉でロールしなければならない。また開く際に〈時間一つ〉かかる。これは失敗した場合も同じである。

部屋の中には棺桶があり、棺桶には独自の文字で書かれた紙がところどころに張られている。その中にはノエルの髪と爪が入っている。

部屋いっぱいの本棚があり〈図書館〉を〈時間一つ〉かけてロールすることができる。成功すると〈消滅の呪文〉が日本語で書かれた本、フランス語で書かれた本、仏日辞典、日仏辞典、を取得できる。また〈消滅の呪文〉が記された本を読んだ探索者は〈クトゥルフ神話技能5%〉を取得する。

机の上にはメモがあり、「黒い子山羊について」と題が振ってある。

黒い子山羊について。……あいつについての情報は忘れないようにしっかりここに書き記しておく。私が物忘れをするなどあり得ないが、何事も万が一、だ。あいつの名前は黒い子山羊。私が言えた義理ではないが、あいつこそまさに化け物といったところだろう。5メートルほどの体躯に大量の触手、ゼリー状の肌に複数ある口。人間を恐怖に貶めるためだけに生まれてきたといっても過言ではない。もっとも私には関係ないが。あれが敵ならたまったものではないが、味方だから頼もしい。私は館の中から食料を追い詰め、あいつは館の外で生贄を待つ。板挟みの館だ。しかし、あいつが話の通じるやつでよかった。そのおかげでより確実に平穏な生活を送れる。私はあいつに生贄をささげ、あいつは私の獲物を逃がさない。win-winの関係というやつだ。最初は“アレ”を呼び出すつもりだったがこれなら必要はなさそうだ。余計なことをして自分が死んでも困るしな。それでも祈りをささげ続けなければならないのは面倒だが、まあ一応私もアレの信者ということになっているからな。そうでなければ私があいつに襲われてしまう。多分。」

その後に小さく隅に書きなぐられた文字がある。

「そういえば祥子のやつ老けていないか?おかしい。あいつは老けないはずだ。しかし余計なことをすると壊れるかもしれないし、放っておこう。老けたところで内面の美しさが変わるわけではない。あとあの腕も放っておこう。肥料として役立っているみたいだ」

このメモを読んだものは非現実の存在を知り、〈0/1D3のSANチェック〉を行う。

②シュブ=ニグラスの祭壇

シュブ=ニグラスの祭壇への扉には鍵はかかっていない。「その扉を開けると祭壇がある。祭壇には様々な祭器がある。そして正面には「シュブ=ニグラス」と表記された文字の上に、巨大な雲状の塊の絵が描かれている。その塊は泡立ち、ただれており、ヒモのような黒い触手とか、粘液をだらだら垂らしている口とか、先端が黒い蹄になっている、ねじれた短い足などが生えている。」

この光景を見た者は〈1D3/1D10〉を行う

この光景を人に伝える場合は伝えられた人物は〈1/1D3のSANチェック〉を行う。

この祭壇を破壊した場合森に潜む黒い子山羊が暴れだし館を破壊してくる。そして破壊したものを決して逃しはしないだろう。それに気付いたノエルも襲ってくる。

〈オカルト〉もしくは〈クトゥルフ神話技能〉で成功した場合祭壇を破壊してはいけないこと、祭壇に祈りをささげ続けると黒い子山羊が沈静化することがわかる。

祭壇に祈りをささげた場合は黒い子山羊が祈っている間沈静化する。〈忍び歩き〉〈隠れる〉人を〈隠す〉に成功した場合黒い子山羊に気付かれない。一人でも気づかれた場合は近くにいる探索者にも気づく。
「PLはこの狂気に遭遇した時、己の幸運を喜ぶだろう。”絵”で良かった、と

③リビング

大きなテレビと大きなテーブルとたくさんの椅子がある。窓はない。テーブルクロスがかかっている。
「大きなテーブルに、テーブルクロス。隠れるにはうってつけだ。…別に、隠れたらシナリオで面白く進む、とかは考えていないが、PLがきっと何らかの形で使用してくれるに違いない。PLはいつだってKPの想像の上をいく。あるいは斜め下をいく」

④使用人室

鍵は開いている。

様々な掃除用具と一人用の椅子と机があり、筆記用具もある。小さなキッチンがありポッドとお茶っ葉がある。風呂や洗面所もある。タンスの中にはメイド服以外に私服もある。部屋は他の部屋より小さく、客室よりも小さい。掃除用具が床に置かれているほどだが、きちんと整えられていて、不潔な感じはしない。探索者は、ものが多くて足場が少なく狭いと感じるだろう。

しかしこれほど多くのものがありながら何かが足りないと、探索者は感じる。〈アイデア〉か〈目星〉に成功したものは

・この部屋にはベッドがなく、布団の置き場もないことに気が付く。また、

・鍵が四つあることにも気が付く。これらは二階の鍵である。

祥子に布団の置き場所やベッドがないことを聞いた場合、寝室は別にあり、そこが「祥子の部屋」であることを知る。ただしこの部屋の鍵は祥子が持っており、いくら〈言いくるめ〉たり〈説得〉してみたりしても開けてくれそうにない。

使用人の自室を客に見せることは失礼である、とノエルに言いつけられた、などのことを言ってかたくなに開けない。
「”ものが多くて足場が少なく狭い” 明らかに寝るための部屋じゃない。もしそれに気づけなかったら…きっと君はそんな寝るための部屋じゃない部屋で寝ているんだろう

⑤キッチン

キッチンには様々な調理用具があり、ここで包丁やフライパン等の武器を手に入れることができる。また、この部屋を〈時間一つかけて〉調べる場合、この部屋には睡眠剤があることがわかるが、探索者は〈薬学〉もしくは〈知識の半分〉に成功しない限り謎の薬としかわからない。祥子はここで毎日の食事を作っている。
「『私は料理好きです。包丁を持ち歩いています。フライパンを持ち歩いています。あと、小麦粉とマッチを…』というPLがいたのなら、KPは速やかに包丁とフライパンと粉塵爆発のダメージを決めておこう」

⑥トイレ

トイレはトイレです。男女でわかれている。一般の家では男女に分かれていないことから、ここが元事務所だったことが推理できるかもしれない。また、トイレには鏡がなくここで〈アイデア〉を行い成功した場合は館に入ってから一つも鏡を見ていないことに気付く。
「鏡の無い生活。男女ともに辛い生活だろう。女は化粧が出来ず、男は化粧をしていない女を見ることになる

⑦倉庫

倉庫には家具や雑多なものが置いてある。ここでは〈時間一つかけて〉〈目星〉を成功した場合成功の数に応じて以下3つのものを発見する。

・武器が1つある。(PLの要望にある程度沿う)

・様々な衣類がある。いろんな種類のサイズがあり、ノエルと榛名が着ないようなサイズのものまである。

・佐々木祥子の手記(しっかりと『佐々木祥子の』と念を押すこと)


佐々木祥子の手記

この手記が館の中で読まれた場合、私はもう生きていないだろう。私の次にこの館に来る人のためにこの手記を残しておく。ここに来てから2日がたった。この館は■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。

そういえば今日は時折意識途切れることがある。もしかしたら上記に記したことが起こっているかもしれない。そう考えると、私はもうほとんど私ではなくなっているのだろう。しかしそれは逆に妹がまだ無事であることを意味している。といっても時間の問題か。祥子もいずれ■■■の■■によって自分が自分じゃなくなってしまうのだろう……。


現在より5年前の日付が記されている。


手記の多くの部分が塗りつぶされている。


この時点で探索者は外にいる協力者との連絡により「佐々木祥子」に関して調べてもらうことができる。警察や探偵等の調べることにたけている職業が協力者の場合〈1日〉かかる。その他の職業の場合は〈1D3日〉かかる。

調べた結果わかることは、

・佐々木祥子には「佐々木榛名」という一卵性双生児の妹がいること。

・その妹と共に5年前に行方不明になったこと。

・二人は探偵だったこと。

・行方不明になった当時は18歳だったこと。

・二人の両親はまだ佐々木榛名と佐々木祥子の両名を探し続けていること。

である。
「逆に聞きたいが、探偵や警察以外の職業はどうやって調べるのだろうか。ネット?コネ?現実では、それだけでは難しいだろう

⑧パソコン室

パソコン室を調べる際は〈コンピューター〉に成功しなければならない。成功した場合以下のことを知る。

・外との連絡手段がない。破壊されているのではなく連絡する場所そのものがごっそりなくなっている。〈機械修理〉に成功しても直せない。ただし機械のパーツを持ち歩いている場合は別である。

・本体も壊れている。

〈機械修理〉に成功した場合以下のこともわかる。

・ここ5年間使われた形跡がない。5年前に一度だけ立ち上げられている。それ以外は10年前から電源も入れられていない

・10年前に記された葛木良太の日記。この日記は5年前に読まれた形跡がある。


葛木良太の日記

この教団もそれなりに大きくなってきたなあ。われらが崇拝する邪神を呼び出す日も遠くないだろう。今までこの教団は噂になったこともない。すなわち邪神を呼び出すのに邪魔をされることがないということだ!フハハハハハハ!素晴らしい!この世の常識にとらわれた一般人たちが慌てふためく姿が目に浮かぶ!おっと、つい日記に書きながら大声で笑ったため外から怒鳴り声をあげられてしまった……。ちょっと反省。音読しながら日記を書くのは悪い癖だ。……ん?怒鳴り声かと思ったけど、これ怒鳴り声じゃなくて悲鳴じゃね?大方ゴキブリでも出てきたんだろう。われらは邪神を呼び出すというのにゴキブリ程度で悲鳴をあげられてはなあ!教団の恥さらしというものよ!……おろ?ドアの向こうに見えるあのイケメンは誰だ?長身に金髪。年齢は20代中盤ぐらいか?日本人には見えないな。新しい入団希望者か?いや、この教団は噂になったこともない。教団の情報を知ることなどできないはずだ。今までずっと初期のメンバーで邪神を崇拝してきたからな。あ、こっち見た。めっちゃ血まみれやん。なんかやばそう。急いで逃げないt

日記はここで途切れている。


〈アイデア〉に成功した場合ノエルと外見の特徴が一致していることに気付く。そして今も20代中盤ぐらいに見えることにも気づく。
「別にアイデアを使用しなくてもPLは気が付くとは思うが」

⑨冷蔵室および冷凍室

冷蔵室および冷凍室には大量の食料があることがわかる。庭園をすでに探索している場合は冷蔵庫の中にある野菜の一部が〈地質学〉もしくは〈生物学〉で庭園の野菜と同じであることがわかる。

また、〈目星〉成功により冷凍庫の中の一つに佐々木祥子と瓜二つの女性の死体があることがわかるその死体には〈佐々木祥子〉というネームプレートが付いている。この死体を見た探索者は恐怖により〈0/1D3のSANチェック〉を行う。〈生物学〉に成功した場合その死体が佐々木祥子と僅かに違うことがわかる。

なんの情報もなく、佐々木祥子にこのことを問いただしてもとぼけるだろう。
「『それはきっと他の訪問者のいたずらですね。手の込んだいたずらです。実によくできた死体ですね』無理があるかな?本当の理由を言わせなければどうでもいいよ。『実はそれはニャルラトホテプの仕業なんです』とかね

⑩祥子の部屋

祥子の部屋には鍵がかけており、その鍵は〈鍵開け〉で容易に開く。ただしその扉を開けるとまた扉があり、その扉には鎖についた錠や新式の錠から古式の錠まで20ほどの錠がある。この錠を開けるには〈時間2つ使って鍵開け〉を行う必要がある。

・「砂に潜む者の部屋」「祥子の部屋」「ノエルの部屋」「シュブ=ニグラスの祭壇」以外の探索箇所をすべて回り、すべての探索物を回収し、かつ「白井祥子」の情報を得ている場合〈説得〉もしくは〈言いくるめ〉に成功すれば鍵を開けてもらえる。

・もしくは「佐々木祥子」仲間にいる場合、鍵をもらえる。

この時点では、「探索者の味方」ではない。心が揺らいだだけである。

2つ目の扉を開けると、中にはベッド、机と椅子、床に積まれた書物がある。しかしそれより先に目に入るのは部屋中に張られたノエルの写真である。机の端から端まで、ベッドや毛布に至るまで写真が貼られている。張られていないのは床だけである。積まれた書物にも写真が貼られてある。

積まれた書物は、どれも簡素なノートであり(ただしノートの表紙、裏表紙にはノエルの写真が貼られている)およそ300冊積まれている。一番上のノートを開くと、ノート中に「ノエル様愛してる」と書かれている。このノートを調べる場合、〈時間を一つかけ図書館〉でロールする。

ロールに成功した場合以下のことがわかる

・300冊のノートにはすべて日付が書かれている。

・1日およそ5枚のペースでノートが使われている。

・最初のノートには「ノエル様愛してる」以外に以下のことが書かれている。このことは探索者が〈一番下にあるノートを読む〉と宣言した場合時間をかけずに教えてよい。


5年前○月○日

あの吸血鬼を何とかだますことができたが、これから気まぐれでいきなり吸血されないとも限らない。そうした場合はあのときのように祥子姉さんと入れ替わることもできない。しょうがないとあきらめるしかないだろう。それでも、せっかく姉さんが命を懸けて教えてくれた吸血鬼とこの館のことを失ってしまうのは嫌だ。死んではいないけど、死んだも同じ。私が吸血鬼のために殺しておいた、と何とかだますことはできたけど……。何とかバレないように、すでに吸血鬼の意のままにあるように振る舞わないと。そして何とかしてこの館から脱出し、お母さんとお父さんのいる家に戻ろう。それに何より、人殺しの手伝いなんて、したくない。

佐々木榛名


5年前○月×日

次にこの館に来た人のためノエルに関するヒントを残しておこう。でもそれが直接的すぎるとノエルにばれたときにまずいから、あくまで端的に、一見わからないようにしないと。明日図書室の本にヒントの切れ端を挟んでおこう。吸血に関することを。それにしても最近この館にいるのがあまり嫌でなくなってきた。嫌なのだけど、それでもここに居たいような、不思議な感じだ。もしかして私はもう「3回目」なんだろうか。私はまだ「1回目」だと思うのだけど。これからはうっかり本名が出ないように、日記に書く名前も榛名姉さんのものにしておこう。

佐々木祥子


5年前×月△日

図書室にヒントの有無を確認しに行ったが、ばれていないようだ。祥子姉さんのこともばれていない。ヒントや祥子姉さんのことがばれていないということはまだ私は「1回目」なんだろう。ノエルさんは私をどこか気遣ってくれるみたいだし、よく私のことを美しいといってくれる。容姿のこともだけど、性格のことも。それがとてもうれしい。そういえば祥子姉さんのメモの処理のことを任されたけど、どうしよう。祥子姉さんの残したものは取っておきたいし、ノエルさんの手助けにもなりたい。とりあえず1枚だけ、重要な部分を塗りつぶして倉庫にしまっておき、ほかは破棄しよう。祥子姉さんのことを思い出したくなったら、またあの倉庫のメモを見よう。毎日祥子姉さんには会っているけど。そういえばお母さんとお父さんどうしてるかな。元気だといいな。

今日もまた人殺しの手伝いをしないといけない。ノエルさんの手助けにはなりたいけど、これだけはすごく嫌だ。

佐々木祥子


5年前×月□日

ここに居たい理由がわかった。私はノエル様のことを愛しているんだ。まだ「1回目」なのに愛しているということは、本当に愛しているんだろう。でも人殺しの手伝いは嫌だ。何回やっても慣れない。でもノエル様のことは愛している。でも殺したくない。これからずっとこの板挟みに苦しんでいくんだろうか。でもどうしたってノエル様のことを愛している。ノエル様愛してる。ノエル様愛してるノエル様愛してるノエル様愛してる……

佐々木祥子


このメモを読んで以降は「佐々木祥子」と「佐々木榛名」について外の協力者に調べてもらうことができる。

内容は「⑦倉庫」によってメモを見たことにより協力してもらう内容と同じである。
「もし君がこのシナリオシートを印刷してなかったら、ここがKPとして、このシナリオでの一番の難関となるだろう。この文章を読み上げるという羞恥心と戦わなければいけないからだ

二階<全て最初はわからない>
・辻褄合わせの部屋
砂に潜む者の部屋
・魔術研究室
・倉庫その2


2階の情報

二階はむき出しのコンクリートとなっており、正面の扉に鍵がかかっている。

正面の扉には「危険区域」とプレートが貼られている。

扉を開けると照明が付いて居らず、スイッチも壊れている。〈機械修理〉で直すことができる。〈目星-10〉がつく。地面が砂でおおわれており、〈目星〉〈アイデア〉に成功すると、

・その砂が「砂に潜むものの部屋」からあふれ出していること

・「実験室その1」とプレートが書かれてあるところに足跡が続いていること。

・塞がれていたドアは「倉庫」とプレートが書かれてあるところだったこと。

がわかる。

また〈聞き耳〉に成功すると「砂に潜むものの部屋」ガリガリとなにかを削る音が聞こえる。

どの部屋にもプレートがあり、「倉庫」には「倉庫」と。「魔術研究室」には「資料室」と。「辻褄合わせの部屋」には「実験室その1」と。「砂に潜むものの部屋」には「実験室その2」とある。どの扉も鉄でできている。
「このシナリオには元々2階が存在しなかった。ただ、もう一度このシナリオをしたい、というPLがいたんだ。全く同じじゃつまらないから、2階を増やしたのさ。つまり何が言いたいかっていうと…この階は割とどうでもいい階」

⑬辻褄合わせの部屋

KPにとって想定外の事態や、情報はあるが推理ができない、といった時、ここに不足を補う情報を置いておこう。

他にも、卓内での人気PCがここで監禁されていた…とかにすれば、セッションが盛り上がるかもしれない。もっとも、どうしてそうなったかの辻褄合わせが余計に必要になるが。
「なんと!この部屋には!卓内で人気の○○が監禁されてましたぁー!!」

⑭砂に潜むものの部屋

ここで〈聞き耳〉を行うとガリガリという音に加え、不自然な息遣いが聞こえる。

ここの扉を開けると「砂に潜むもの」との戦闘となる。

地面が砂なので〈回避〉等、足を使う技能とDEXにマイナス補正がかかる。技能には-10、DEXには-2
「ここは…別に無くたっていい部屋。この館はまともではないよ、という裏付け。ただの裏付けだ。でも、戦闘が好きなPLっているだろう?そういうPLが活躍できるための場所。もし戦闘が苦手なPCがこの部屋に入ったら、そっと新しいキャラシートを渡してあげよう」

⑮魔術研究室

この扉を開けると以下の情報を探索者は入手する


その部屋には二つのものがあった。一つは地面に乱雑に置かれた本。ある本はページを開いたまま地面に置かれ、またある本はボロボロに破れている。だがそれ以上に目に付くものがある。それは積み上げられた死体である。どの死体もペラペラに干からびており、公文と苦悩の表情だった。まるで生きたまま体中の血液を奪われたようである。その死体はあまりに非常識で、そしてあまりに数が多かった200は超えているだろう。


この光景を見た探索者は〈2/2D10+1〉のSANチェックを行う。

ここの死体を漁る場合は〈時間を一つかけPOW10の対抗ロール〉に成功しなければならない。成功した場合探索者は一冊の本を見つけることができる。その本は探索者の持つ外国語技能で書かれているため読解するには〈時間を一つかけ外国語:探索者の取得外国語〉に成功しなければならない。もしくは〈辞典を所持している場合は時間を二つかけて〉読解できる。書かれている内容は下記の通りである。


皮膚の制御(CONTROL SKIN)

外見を偽る目的で、呪文をかけるたびに、対象の体の一般的な部分の一つについて、皮膚を融合させ、折り曲げ、改ざんすることができる。一般的な部分とは、頭、胴体、右腕、左腕、右足、左足である。もちろん二回目の〈皮膚の制御〉で変化を元に戻すことができる。

効果

呪文をかけるには体の一部分につき5MPと1D6のSANチェックがコストにかかる。

全身を変える場合は30MPと6D6のSANチェックがコストにかかる。

呪文がかかった者には同様のSANチェックを行う。

皮膚の変化を見ているものには体の一部分につき1D3のSANチェックを行う。

呪文がかかってから実際に働かせるのに30分かかる。

呪文の効果は15分から一時間続く。

永久的に変える場合は体の一部分につき呪文使用者のPOWが1必要になる。


この呪文を知ったものは〈クトゥルフ神話技能5%〉を取得する。


また、〈図書館〉に成功した場合、

呪文の使い手がフワッと煙のように消え、前もって準備しておいた箱のそばへ瞬時に戻ってきたりできる呪文がある。

場所は呪文の使い手の体の要素、たとえば毛髪、歯、爪などの入った箱でできた護符を作ることによって決められる。箱が準備できたら何度でも〈消滅〉の呪文をかけることができる。箱が破壊された場合、あるいは開けて中身がばらまかれた場合効果がなくなる。もう一度呪文を働かせるためには、もう一度箱を作らなければならない。

という呪文が存在することを知る。

呪文が存在することを知っただけであり、詳しい使用方法を知らないため、SANチェックは行わないし、〈クトゥルフ神話技能〉も習得できない。
「セッションを行う面子にもよるが、このシナリオは長い。初めてこのシナリオでセッションした時は、13時間かかった。この呪文は長い長いセッションに参加した人へのご褒美。次のセッションできっと役立つ呪文だろう。そのPCが生きていればね」

⑯倉庫その2

倉庫その2には多くの紙がばらまかれている。〈目星〉〈図書館〉で情報をえることができる。

・ここの教団は20年前にできたこと。

・この教団はシュブ=ニグラスを崇拝する教団であること

・シュブ=ニグラスの崇拝をしていると、近くにこの世のものとは思えない生物が2体あらわれたこと。

・両方とも教団の人間に対しては敵意がなかったこと。

・以下のメモ

葛木良太のメモ

アカン。あいつやばい。絶対人間じゃない。あいつは化け物だ。そしてあいつはイケメンだった。つまりはイケメン=化け物だ。奇跡的に逃げられたけどこのままじゃ絶対殺される。イケメンに殺される。……いや、ビビッてねーし?われらの崇拝する邪神の方がよっぽど化け物だし?俺ビビらしたら大したもんだし?というかなんでこんなことになったんだ?俺はただ一般人たちが恐れおののき!慌てふためき!無様に死んでいく姿が見たいだけなのに!それの何がいけないっていうんだ!くそ!外にいるあいつも、実験室のあいつも、そしてあのイケメンも!どいつもこいつも俺をビビらせやがって!俺じゃなくて一般人たちをビビらせろってんだ!……いやビビってないけどな。……あ?あ、あ、あああ!?聞こえる!あいつの足音が聞こえる!なんで俺がこんな目に……。そうだ!よく考えたらあの邪神を崇拝したのがそもそもの不幸の始まりだったんだ!だったらどうする?……そうだ。ほかの邪神を崇拝すればいいんだ!そうと決まっちゃこうしちゃいられない!目の前には窓!そして外には俺を襲わない化け物!邪神が俺にもっと輝けと囁いている!こんな場所、華麗に脱出してやろう。ヒャッハー!


メモには他の人物が時間をおいて何度か書いたと思われる文字で継ぎ足されている。


……いや、だからってわざわざ窓割って脱出する必要はないんじゃないか?

しかし、外の化け物は厄介だ。これでは追うのは難しいかもしれないな。

話が通じる相手ならばいいが。

念のため逐一メモに書き残しておこう。私に限って忘れることは無いだろうが。逃げ出したあいつのことを忘れないためにもあいつのメモに書き残しておこう。

実験室の方も確認しておこう。この教団にとらわれる程度であれば放っておいてもよさそうだが、何事も万が一、だ。なにせ教団まるごと乗っ取ることになるのだからな。


時間をおいて次の文が書かれている。


そういえばこの計画を行うに際して食料に一応名前を名乗っておかないといけなくなるな。日本人には見えないだろうし、適当にノエルとでも名乗っておくか。生まれはフランスでいいか。フランス料理は好きだ。人間の次に。そうなるとフランス語を軽く勉強しておく必要があるな。三階の中央あたりを図書室にして勉強しやすいようにしよう。


時間をおいて次の文が書かれている。


フランス語 すごく 難しい

メモはここで途切れている。

3階
・PC分の空き部屋
・図書室
・庭園

3階の情報

いたって普通。廊下から庭園が見える。
「もしPLがノエルを倒すと決めたなら、この階は非常に重要になる。庭園には日光が差し込む

⑪図書室

図書室で〈時間を一つかけ図書館〉ロールに成功した場合、一冊の本とそれに挟まったメモを入手できる。本は料理についての本であり、メモは以下の通りである。


1回目では強制感

2回目では時折途切れ

3回目では意のままに


探索者が外国語技能を習得している場合、それに応じた辞典も見つかる。

また日本語で書かれたフランス語の入門書がある。
「事実を言えばいいのにわざわざ謎解きのような遠まわしな言い方をする。その場合はちゃんと理由がなくちゃな。このシナリオでの理由は、あー、結構無理やりだ

⑫庭園

庭園には様々な植物がなっている。〈生物学〉もしくは〈地質学〉〈知識-30〉に成功した場合どれも食べられる植物であることがわかる。また、ロールに成功し、冷蔵庫および冷凍庫を調べた場合この植物の一部が冷蔵庫および冷凍庫にあったことがわかる。

また〈目星〉に成功したものは一本の木に「呪文は■■の山の中」と彫られていることに気付く。

〈目星-30〉あるいは〈地質学〉に成功した場合、1か所不自然な場所が膨らんでいることがわかる。そこを調べると、腕が埋まっていることがわかる。この腕を目撃した探索者は〈0/1D3のSANチェック〉を行う。

この腕に関して調べたい場合は〈生物学〉もしくは〈目星-40〉でノエルの腕と同一であることがわかる。しかし、ノエルの腕はしっかり両方ともついている。
そして、日の光を浴びると同時に、この腕は消滅する。この光景を見た探索者は、〈1/1D5のSANチェック〉を行う。

〈クトゥルフ神話技能〉に成功した場合腕は新たに生やしたものであることがわかる。
「別に大した情報じゃないからわざわざシナリオ中得られるものとはしていないが、■■には”死体”の言葉が入る。もしかしたら何らかの技能で『■■が何か教えてくれ』というPLがいるかもしれない

●各NPCの行動

○黒い子山羊の行動
黒い子山羊は単独で館の外に出てきたものを襲う。ノエルも黒山羊が襲っているのを知ると襲う。

ノエルの行動
 ノエルは探索者たちが〈ノエルの部屋に入る〉〈シュブ=ニグラスの祭壇へ入る〉のどちらかを行うと襲う。ただし極力一人の時を狙う。
 ノエルにとって佐々木祥子はある程度までなら人質としての価値がある。ノエルに危害を加える、この館からの脱出、ノエルの部屋に入る、のいずれかを要求した場合、人質としての価値はない。
 ただし、佐々木祥子の方から探索者たちの味方をするよう要求し、かつ佐々木祥子が「人を殺さない」ことを第一の目的としているならば、その要求を呑むだろう。もちろん、そのためには佐々木祥子が味方でなければいけない。
佐々木祥子の行動
佐々木祥子は何があっても攻撃しない。ただし悲鳴は上げる。悲鳴を上げた場合ノエルが駆けつける。

佐々木祥子は「祥子の部屋」への侵入を強く拒む。

佐々木祥子は以下の行為を行うと探索者の味方となる。

・佐々木祥子の正体が「佐々木榛名」であることを告げる(探索者が知っている)。

・両親がいまだに探していることを告げる。

・佐々木祥子がノエルのことを愛していることを告げる。

・〈説得〉に成功する。

ただしここで〈説得〉を成功させるときに、

1、家族のもとに帰りたがっているから。

2、人を殺したくないから。

のどちらをもって〈説得〉するかを探索者に決めてもらう。そのどちらかによって佐々木祥子が「家族のもとに帰るためこの館を生きて脱出する」ことを第一の目的におくか、「人を殺さない」ことを第一の目的にするかが変化する。前者の場合自分が祭壇で祈り探索者を脱出させるようなことはしない。後者の場合脱出が困難となったらノエルに探索者の思惑を告げ、殺さないように懇願する。ちなみに後者の場合、ノエルは全員に3回の吸血を終えた後、使用人(半永久的食料)としてずっと居すわらせておくことになる。つまりは全滅である。

佐々木祥子が味方になった場合、以下のことを話してくれる。

・5年前に姉と一緒に探偵として館に来たこと。

・姉と協力者であることがばれないように、佐々木榛名が変装して時間を空けて館に来たこと。

・その変装は自分の容姿を醜くしたものであること。

・姉が完全に操作されていることを姉の調べて記したメモ等で知ると、深夜に寝ている姉を自分の部屋に連れてきて、自分のように醜く変装させて、代わりに吸血をうけさせたこと。

・その後自分は元のすがた(姉と同じすがた)に戻ると、さも自分が3回吸血を受け、意のままに操られているかのようにふるまったこと。

・姉の記したメモ等は、ノエルの指示によってすべて破棄したこと。(倉庫のものを除く)

・自分はすでに1回吸血を受けたこと。

・探索者の行動を報告したこと。

・吸血の回数による異常とノエルの体が霞になること。

・日の光の下では霧状になれないこと。

これらである。

また、佐々木祥子が味方となった時、探索者がノエルを味方に付けるよう提案したならば、それに従う。
エンディングのための道筋

このシナリオのエンディングはいくつか存在し、そのための道筋を記す。

全滅エンド

探索者全員が3回の吸血を受ける・黒い子山羊に殺される・ノエルに殺される・全員発狂

祭壇破壊エンド

何らかの方法で祭壇を破壊すると、黒い子山羊が館を破壊して、祭壇を破壊した探索者を黒い子山羊がどこまでも追ってくる。その他の探索者もノエルが追ってくる。移動力でノエルが勝るので、ノエルからは逃れられない。黒い子山羊とはDEX対抗ロールとなる。たとえDEX対抗ロールにかっても町に降りてくるだろう。

非現実をフルボッコエンド

ノエルと黒い子山羊を倒す。

黒い子山羊への祈りエンド

祭壇で祈りをささげる。

その間に脱出。ばれたら戦闘。ノエルが生存している場合敵として駆けつけてくる。
もちろん祈りをささげている探索者は動けないため、尊い犠牲となる。

消える館エンド

味方となった祥子の目的が「人を殺したくない」であり、かつノエルが味方の場合、ノエルが黒い子山羊を倒し、脱出することに協力する。

この時祭壇で祈りをささげることをノエルは教えてくれる。なぜなら、誰も殺さずに生活していく場合は、黒い子山羊との利害関係が崩壊し、襲ってくる場合があるので、ノエルとしては黒い子山羊を仕留めておきたいからだ。油断しているところを不意打ちできるように、である。逆にノエルは黒い子山羊を仕留めず脱出する探索者を認めない。

偽物の吸血鬼エンド

魔術〈皮膚の制御〉によりノエルに化けて脱出する場合、最大の難関はSANチェックと死体を漁ることに気付くかという点である。「呪文は■■の山の中」という文字が死体の山の中に魔術があることを示している。これは祥子の姉が書き残したものである。いざノエルに見つかってもばれないようにわかりにくくしてある。ちなみにノエルはこの文字のことを知らない。ノエルに化けた状態でノエルと遭遇すると戦闘になる。

補足
ノエルは鏡に映らない。吸血鬼だからである。
二階を扉で閉じたのは、死体の処理の面倒さと、砂に潜む者のあつかいの面倒さと、本当に、単純に、足場が崩れやすそうだったから。

投稿者文
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投稿者:

妙楽

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