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針金のブロマガ

影エフェクト3つ

2014-06-30 09:53:58
ここ1ヶ月あまり影生成についてずっと研究していたのですが、3種類ほど新規の影エフェクトが出来ましたので公開させていただきます。

・LocalShadow

局所的に独自設定のセルフシャドウ描画を行う影生成エフェクト。
モデルの顔面に落ちる影を通常のライト方向と変えて、見栄えの良い影の落とし方をする
いわゆる「嘘影」のような効果をエフェクトで作成出来ます。
設定方法が多少煩雑で面倒ですが、使ってみると低負荷の割に効果は大きく小一時間は
うっとり出来ますw。モデラーさんが嘘影を入れたくなる気持ちがよく解りました。


・VolumeShadow

シャドウボリューム法を用いた影生成エフェクトです。(MMMは未対応)
現在標準的に使われているシャドウマップ法と異なり、マップの解像度や描画範囲・カメラ操作の影響を受けず、エイリアシング(影境界のギザギザ)が発生しない影生成を行うことが出来ます。アニメ調のシャープな影を得るのに向いていると思います。
MMD標準セルフシャドウや後述のHgShadowとの供用も可能です。
このエフェクトはシャドウボリューム作成のためのモデル改造が必須で、頂点数が大幅に増えてそれなりに重くなります。また、テクスチャ透過による影は原理的に行えません。


・HgShadow

高品位な影を自分なりにとことん追求してみた影生成エフェクト。かなり重いです。
CLSPSM(Cascaded Light Space Perspective Shadow Maps)というマニアックなシャドウマップを実装しています。1つのオフスクリーンを4分割して、4つのシャドウマップを組み合わせて使用。使っているリソースはMMD標準シャドウマップと同じですが、CLSPSMはパースのバランスが良く、どのようなカメラアングルでも影の精度が極端に落ちることがありません。画像のように広範囲にわたって良好な影を得ることが出来ます。
ソフトシャドウについても、ぼかしの強さを遮蔽距離、深度、光線が当たる角度、視野角によって調整しており、より自然に近いぼかし方を行っています。
影生成法については今回調べただけでも様々な方法が考案されていて、実に奥が深いと感じました。このエフェクトも今後大幅に仕様変更する可能性があるかもしれません。
(上の画像をよく見るとネルさんの影と電線の影の重なりで、電線の遮蔽距離優先でぼかしを行ってますが(現実は逆)、シャドウマップの原理上どうしようもないですねぇ^^;)


以上、よろしくお願い致します。

VolumeShadow,HgShadowは32bit版MMEでは初期状態で多分エラーになるので、
32bit版MMEをお使いの方はreadme.txtに書かれている方法でパラメータ変更してから
ご利用下さい。


いつもの置き場:http://harigane.at.webry.info/201010/article_1.html

追記:2014/7/5 3エフェクトとも修正&機能追加版(v0.0.2)に更新しました。
   2014/7/10 LocalShadow(v0.0.3), HgShadow(v0.0.3)に更新しました。

投稿者:

針金

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