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針金のブロマガ

既存のエフェクトを色々配布してみる

2014-04-07 05:43:00
しばらくご無沙汰しておりましたが、仕事の方が一段落したので活動再開です。

元々、自身の技術習得を目的として基本的なエフェクトをいくつか作り溜めていたのですが、久しぶりに勘を取り戻すべく、再構成したものを配布させていただきます。

ほとんどが「既出モノ」ネタですので目新しさはありませんが、既存エフェクトの改変ではなく、全て1から書き上げました。

以下、個々のエフェクト紹介です。
・HgDiffusion

おなじみのディフュージョンフィルターです。
既存フィルターで用いられる自己乗算を利用する手法は採用せずに、①ハイライトを抽出、
②ハイライトを周囲へ拡散させる、③ハイライト以上の加算は行わない(色調は変わらない)
といった、極力ディフュージョンフィルターの原理を忠実に再現することを目指しました。

・HgSSAO

これもおなじみのSSAOエフェクト。
独自の解釈としてSSAO処理で光線の遮蔽判定を行う際に、スクリーン座標から実空間の座標に戻してから判定処理をしています。その結果、既出のSSAOエフェクトと比べて、①カメラワークによるAOの掛かり具合の変化が少ない、②実スケールでのAOが掛かる範囲が深度による変化が少ない、というのを目指しました(まだ調整が甘いんだよなぁ)。

・HgPointLight

点光源エフェクトです。
セルフシャドウ生成などで独自に色々工夫してみました。
ライティング処理にフォンシェードを使っている関係上Lat式モデルはデフォでは対応出来ず、オプションで特殊設定が必要になります。

・HgSpotLight

スポットライト光源エフェクトです。
ライティング方法は点光源エフェクトと大体同じ、オプションで写真のような擬似ボリュームライト表現エフェクトと連動させることが出来ます。
MMDが外部親対応になったことで、操作性もそれに合わせて扱いやすくしてみました。

・MMDShadow

MMD標準のセルフシャドウと同等の機能をエフェクトのみで実装した影生成エフェクト。
作成されるシャドウマップはMMD標準のものとほぼ同じです。相違点としてはセルフ影のテクスチャ透過の対応や、VSM法によるソフトシャドウにも対応していることです。
ソフトシャドウについてはfull_SimpleSoftShadowとExcellentShadowの中間的な位置づけになっています。
また、100%エフェクトで処理しているため、MMDとMikuMikuMovingで全く同じセルフ影操作・影生成ができます。ソフトシャドウOFF設定にするとMikuMikuMovingでMMD標準描画とほぼ同じ結果が得られます。

・BillboardSet

ビルボード処理に関するのサンプルエフェクト詰め合わせです。
ビルボード関連のノウハウを整理する目的でまとめてみました。
直接動画に用いることはないと思いますが、エフェクト作成の教材にはなるかも。

・ColorFilterSet

色調補正を行うフィルターの詰め合わせ、MME登場初期にほとんど出尽くした感のあるエフェクトばかりですが、自身で色調関連のノウハウを整理する目的で作成しました。
色調操作の教材として利用できるかと思います。後述のPostClipと組み合わせると意外と面白い演出に使えるかもしれません。

・PostClip

今回紹介する中で唯一新ネタとなるエフェクト。
既存のポストエフェクトを指定領域でクリップして、エフェクトを掛ける範囲を制限します。
ポストエフェクトであればどのエフェクトでも対応可能です。
クリップの方法は単純な領域指定だけでなく、深度や法線などMMDの3D情報に応じてクリップすることも可能、かつ複数のクリップ方式を論理集合のように合成することも出来るので
応用次第で様々な表現に使えるのでないかと思います。
写真の例では咲夜さんから一定距離にだけ反転フィルターを掛けて、かつ咲夜さんだけはフィルターが掛からない(距離によるクリップとモデル形状論理否定クリップの論理積合成)となっています。


以上、使ってもらえれば幸いです(ちなみに上の写真は全部MMMの出力)。

エフェクト置き場:http://harigane.at.webry.info/201010/article_1.html
投稿者:

針金

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