汁を染みこませるんだ! ~落書きメモ~
星の子ポロンを発掘しよう19 ~"あの"作画スタッフと接触の巻~
2020-09-05 04:55:29Q.まず『星の子ポロン』とは?
A.ザックリ言うとこういう超展開のカルトアニメとよく言われてるらしい作品です。
(大百科記事リンク)

▲ケフィアさんに新たに作っていただきました
NHK主催「ベストアニメ100」にて38位になった幻の謎アニメ『星の子ポロン』の目撃情報などを募集中です。一部で大変熱い盛り上がりの作品ですが、権利者も不明で全260話あるらしいのに一部しか見つかっていません…!https://t.co/rOx2ogwFbi [まとめWiki] pic.twitter.com/ro7PBxWsNy
— koichil (@koichil) 2017年5月3日
▲人気エピソード集めた動画
未解明の情報があまりにも膨大なため、『星の子ポロン』が好きな一部ファンによって盛んに研究活動や関連放送が行われています。
え~~~~~~~~~またまた久しぶりです。どうですか皆さん、新発掘された『星の子ポロン』楽しんでますか?わっちは本編投稿者特権(ズルい)で先のエピソードをもう見ちゃってるんですが、コメントでの反応とかが楽しみで仕方ないっす。
ポロンコミュでは、月1で未公開エピソードの生放送が行われているので、みんなお気軽に、是非見てくれよな!まずは宣伝でした。
そんなこんなで最近調査系の記事を書いてなかったのでお忘れかもしれないんですが、前回(一年前)から普通に色々調査は進んだりしてました。俺はほぼ何もしてないんだけどな。滅茶苦茶遅れましたが、既知の情報や未公開の情報まで含め簡単にバーッと紹介します。どうぞお付き合い下さい。
~ポロン、有名YouTuberに紹介されてしまう~
調査とは関係ないんですが、非常に大きなトピックであると同時に、各作品の理解に繋がる良質な動画なので、まずはこれを紹介!
なんと考察系YouTuberとして有名なキリン氏(※チャンネル登録者数150万超え)に『チャージマン研!』と同時に『星の子ポロン』そして『ゼンちゃんツーちゃん』(!?)が取り上げられたのだ。いや、ポロンはわかるとして何故ゼンツー…?!しかも簡潔かつ非常に丁寧に解説されており、『星の子ポロン』『ゼンちゃんツーちゃん』を初心者に布教する際にうってつけの動画となっている。
特に『ゼンちゃんツーちゃん』は基本的に内輪でしか背景含め認知されていない作品なのに、この方は丁寧にそれを調べ上げ紹介する事に成功しているので、かなり好感度が高い。
俺的には、たくさんのファンの労力と愛が詰まっているにも関わらず、中々評価の機会に恵まれない再現版ゼンツーがこの紹介動画で活用されてるのが非常に嬉しいですね。俺は台詞書き起こしでしか参加してないので、なんか身勝手な感想かもしれないけど、報われたなぁ…という気持ち。
これを機にポロンの目撃証言とか情報が集まると嬉しいんだけど、YouTubeのコメント欄見ると、ほぼチャー研の話題ばかりで俺は悲しいぞ!(泣)
チャー研はもうなんというかレジェンドアニメというか、遠いところに行っちまったなお前…。
~『ゼンちゃんツーちゃん』番宣広告発掘!~
はい、ゼンツーの話をしたならまずこっちからっすね。『ゼンちゃんツーちゃん』は『星の子ポロン』『ガンとゴン』と同じ時報映画社製作だというのは何回か触れた通り。
フィルムの所在元は判明しており、過去に開催された時報映画作品研究会で上映された事もあるのもご存知だろう。ご存知じゃない方は↑のキリン氏の動画見ればわかる!
しかし肝心の映像公開までには至らず、有志による再現版が投稿されるに留まっていた。
▲再現版も新たに2本投稿されたからよろしくね!
ポロンやガンとゴンが載っていた徳間書店『TVアニメ25年史』にすら掲載されておらず、ある意味本当に幻のアニメと化していたが…。
昨日、国会図書館で偶然発掘した時報映画社制作「ゼンちゃんツーちゃん」の番宣広告2種(富山新聞1970年4月3日、20日掲載) pic.twitter.com/Kge6pTNx0F
— マカロニマカ男 (@makaroni1986) January 26, 2020
なんと新聞広告に宣材画像が掲載されていた事が判明!!
時報映画社作品『ゼンちゃんツーちゃん』番宣広告(北日本新聞1970年4月12日)
— TATU (@tatu_zihou) January 30, 2020
こちらでは「横断中」の旗を持った謎の犬が描かれている…。しかしまあ提供スポンサー多いですね…。 pic.twitter.com/2C6N3m0Xje
今日発掘してきた「ゼンちゃんツーちゃん」の番宣広告(読売新聞北陸版1970年4月12日掲載)
— Dough(どーなつ) (@doughnut_f) March 24, 2020
富山新聞と同じイラストが使用されているが、こっちの方が画質が良い。そして出演に「劇団東芸」が関わっているというのは新情報ですね…! pic.twitter.com/jcGaoNyEu0
その後有志により続々と発掘され、スポンサー(多い)や出演に劇団東芸が関わっている事が判明。これらの広告は1970年4月に富山テレビで放送された際の物のようだ。
今まで再現という形でしか公開出来なかった物の公式ビジュアルが、まさか発掘されるとは…!いいですか皆さん、ゼンツーは実在したんですよ、本当に…。
更に有志によりこんな情報まで発掘された。
謎多きアニメ「ゼンちゃんツーちゃん」。
— コノシート@新刊通販中 (@video_vhs) June 14, 2020
5分アニメで100万円近い制作費。 pic.twitter.com/067SVmj5y4
どうやら制作費は100万円近かったらしい。これが高いのか低いのかわからんが、詳しそうな方々の反応を見ると高い方らしい。
結論、ゼンツーの予算は高い。
— 音唆つき (@Inmay_writer) June 14, 2020
~ガンプラCMの裏付け~
以前の記事で紹介したガンプラのCM。
▲これ
元時報映画社員の方によると時報映画社制作との事…というのは既知の情報なのだが、あくまで証言を根拠にした物であったため、客観的にそれを証明するのは難しかった。
しかし!なんとその事が明記された資料が遂に発見された。ちゃんと載ってるもんなんすね…。まさか裏付け出来るとは。
ファーストガンダム関連の資料が色々届いたので読んでるけど、ガンプラのCMの欄でネットでよく見る名前が。
— 快諾亭スピンストーム (@shinababarn) April 11, 2020
時報映画社って「星の子ポロン」作ってるところであってるっけ? pic.twitter.com/BmwsNdrP3c
また、時報映画社のテレビ作品2作についても新たな情報が判明。
神戸新聞昭和44年7月2日夕刊に掲載されたサンテレビの広告に時報映画社の「日本のまつり」のタイトル画面と番組内容が紹介されていた。 pic.twitter.com/0Z71WWYTsv
— マカロニマカ男 (@makaroni1986) June 14, 2020
時報映画社が制作した「さわやか奥さん」の視聴率も掲載されていた。
— マカロニマカ男 (@makaroni1986) March 8, 2020
4/15 4.3%
4/16 4.4%
4/17 3.1%
4/18 4.4%
4/19 3.7% pic.twitter.com/rihxs03KQl
ただ『日本のまつり』に関しては同名の他社制作番組の可能性も否定されてないみたいなので、一応注記しておくぞ!
~遂に"あの"作画スタッフと接触!~
はい、ラストです。本記事のメイントピックです。わりとデカイです。ご存知の方もいると思うが、以前の記事ではポロンの作画スタッフである鈴木孝夫さんのお師匠、高倉建夫さんとお会い出来た。いやぁ、あの感動は一生忘れらんねえよ。
権利者も不明、メディア化もされてない、スタッフが行方不明、こんな作品だからそれに携わった関係者との接触がいかに重大な事項なのかわかっていただきたいのだが…。
そして今回は…なんと…

これポロンのスタッフが載ってるいつもの資料ね。
んで、この内のね…

はい、そうです!鈴木孝夫さん!『星の子ポロン』の原画を担当された中心人物です!
なんと、最終的にお電話でインタビューする事に成功しました!!!!すごい!!!!俺が接触したわけではないけどな!!!経緯を説明する!
始まりは調査勢の一人でもある音唆つきさんが東京アニメーションセンター(鈴木孝夫さんが所属されていたアニメーション制作会社)付近の地図を購入し調べていた事。
地図には鈴木〇〇さんとあった(孝夫さんとの血縁関係はこの時点では不明)
↓
つきさんが墨田区の図書館に寄るついでに東京アニメーションセンターを見に行く。
↓
偶然出かけるところだった孝夫さんのお兄様と出会う。孝夫さんが今もご実家に住んでおられる事が判明。
↓
手紙を送ったらもしかしたら返信頂けるかもしれない(実は以前話には挙がったものの、諸々の事情があり送る事が出来なかった)
↓
つきさんが手紙を送ったその日中に孝夫さんから電話がかかってきたので、インタビュー敢行。
と、とんだ豪運だぜ…。ご本人のお兄様にバッタリ会ってしまうとは…。
というわけで、つきさんが鈴木孝夫さんと話してわかった詳細などは以下の通り。あ、掲載許可はもちろんいただいてます。
◆鈴木孝夫さんについて
・鈴木孝夫さんは『ガンとゴン』『星の子ポロン』制作当時、五反田の「パサ」に勤めていた。
・みゆきプロダクションはポロンよりずっと後に設立した。
・1999年頃にはアニメーターを辞めており、スタッフとして名前が載っている化物語には関わっていない(会社が孫請けで請けた仕事?)
◆パサについて
・「パサ」は桑島東輝さんが設立した。
・桑島さんは30代で亡くなられた。
・鈴木孝夫さんが入る前、「パサ」は『ゼンちゃんツーちゃん』を制作していた。
・「パサ」が時報映画社から仕事を請け、ゼンツー、ガンゴン、ポロンを制作した。
・当時時報映画社は品川にあり、警察から映画制作の依頼を請けて作る代理店だった。
◆星の子ポロンについて
・25年史に書かれているスタッフは「パサ」にいた人間と思われる。
・動画の項目に名前があるスタッフ(岩崎純央、町支哲義、坂井文雄、中島篤子)はパサが雇った若者。
・ポロンはキャラはあったもののシナリオが無く、社内で絵コンテを切って作った(?)
・「パサ」社内に16mmのカメラを置いて撮影していた。
・「イソップ物語」のスタッフ(栗原達夫、高倉建夫)と同じスタッフである。
・日本動画という会社は知らない。
■新情報から推察される事
・スタジオマンモスは鈴木さん個人のペンネームだった?(マンモス所属時=フリーの時期だった?)
・関わられた作品のクレジットから推察するに鈴木さんがパサに入社したのは1971年頃?
個人的には、あいうえおアニメのイソップ物語シリーズと同じスタッフというのが感慨深い。ポロンの後も同じ血が流れていた作品はあったんですね…。
しかし、こうなるとますます時報映画社の子会社とされる「日本動画」の存在が謎になるな…。調べても確たる情報が一切出てこないし、本当に実在するのかこの会社は…?
つきさん、そして鈴木さん、この度は本当にありがとうございました!!!!!!!
というわけで、今回は以上!しかし鈴木孝夫さんご存命で良かった…。快くお話いただけたのは正直奇跡に近いと思います。
実は調査勢の間ではまだ進行中のトピックあるっぽいんだが(俺も少し手伝った)、ちょっと色々返事待ちみたいな状態なので、今回はスルーした。
公開できる状態になったら、その時はまた改めて…。
今回携わった関係者やツイート引用元の方々には毎回お世話になりっぱなしです。今回も本当にありがとうございました。『星の子ポロン』諸々を末永くよろしくお願いします。末永くっていうか最早呪いの域ですけどね、この作品…。
さてさて、もう一つ言及しないといけない事が!
今回のポロマガ記事。皆さん何の疑問も持たず、いつものように読まれていたかと思われます。知ってますか?実はこの記事、私koichilは書いてません(は?)
前からそうなんですが、多忙でまとまった時間が中々取れず、本来なら今まで判明した新情報をまとめて記事にするなんて事はできない状態でした…。
俺がモタモタしてる間に、救いの手が差し伸べられました。調査勢の一人でもあるTATUさんが、なんと今回のポロマガ記事の原稿を書き上げてくださったのです。10%ぐらいは俺が変更を加えたりしてますが、つまりゴーストライターな感じです!マジかよkoichil最低だな。
TATUさんは俺の書いた今までのポロマガを参考に文体も含め、見事までにジェバンニしてくれました。言っておきますが、本当にほとんどの文章が俺ではなくTATUさんが書いた物です。皆さん多分疑問に思わなかったでしょ?すごい。あまりにも俺の文章すぎて自分で直視するのが恥ずかしくなるレベルだったよ!
こんな不甲斐なくて情けない俺のために貴重な時間を使わせてしまった事を悔やみます。解決できるかはわかりませんが、次はちゃんと自分の手で書けるよう努めたいところです。
それはそうと、TATUさん本当にありがとうございました…!
(リンク先)
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