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ネジまき出張所

多段化って何がおいしいの?

2013-02-14 23:40:07

前々回(追記有)で、回転付与が混ざってるモデルに多段化を導入する手順を書きましたが、そもそも多段化ってなんのため?
…という根本的な話題を一応書いてみます。あと付与による操作ボーンの導入手順(こっちがメイン)。
そもそもボーンとウェイト自体よく分からないという方はででさんの講座へ→【MMD用】ボーンとウェイトの話【初心者向け回答1】



●前置き

ここではあえて、多段化のことを「単純多段化」と呼びます。
いわば全ての親や腰ボーンなどもあれも一種の多段化なので、区別するためです。
(ただ単に「多段化」と書いてある場合はこの単純多段化のことを指してる場合がほとんどです。)

単純多段化、というのは例えば「腕→ひじ」という構造を「腕→ひじ親→ひじ」という構造にすることを言います。
よく分かりませんね。
とりあえず、BoneDoublerXプラグインで作ったボーン=単純多段化!で良いです。

もう少し説明すると、

単純多段化=元のボーンと同じような動きをするボーンが増えたよ!

くらいの認識でとりあえず良いです。
PCで絵を描く人なら「単純多段化=一個のボーンに使えるレイヤーが増えたよ!」という説明の方が分かりやすいかもしれません。
例えば、肌を塗るのにレイヤー一枚しか使えなかったけど、単純多段化したら肌を塗る用にもう一枚レイヤーが使えるよ!という感じです。レイヤーが二枚あったら塗り直しを気にせずに影とか塗り放題ですね。やったね!

その単純多段化の中で有名なのはグルーブボーンですが、あれは「センターがもう1個増えたよ!やったね!」くらいの意味のボーンです。
最初に命名した方が「グルーブ(groove)のノリノリ感を既存のモーションに上乗せしたい」という意味で使い始めたボーンなのでそういった名前が付いてます。
(グルーブボーンの発祥→sm8463080
最近はその名前通りの使い方ではなく、センターの補助的な使われ方が多いかもしれません。




●単純多段化って何がいいの?

特に今の状態で困って無い方には必要ありません。

「モーションを流し込んだら腕がお腹にいっぱい突き刺さった・・・キーフレーム一個一個直すのなんて気が遠くなる・・・」
「あー、腕ボーンがもう1個あって、全体的に何カ所かちょこちょこっと弄るだけで調整出来ればいいなぁ」
そういう風に感じたら単純多段化の出番です。
多段化すれば元のモーションを触る必要がないので、よく分からない補間曲線が突然変になったりすることもありません。
元のモーションを生かしつつ修正できる訳です。

大丈夫、改造したモデルにもし何か不具合があっても、モデルやPMMを上書き保存さえしなければとりあえず戻れます。別名で保存、大事です。

その他、多段化の利点は以下の動画をどうぞ。オススメ!(6666AAPの方が初級者向けだと思います)
・6666AAPの→【MMD】6666AAPのモーション素材集vol.01 「歩き」
・PAC室長の→【MMD】たこルカの多段ボーン講座

(全ての親を多段化するとちろっとエッジに問題が出てくるのでその場合はこちら→im2830775
多段化の仕方は前々回もちらっと書いたので省略しますが、プラグインのBoneDoublerXを使えば困らないでしょう。




●単純多段化とは別の手法

ただ、最近は「多段化したらなんか変形がおかしくなった」ということもあると思います。

その場合は、前々回の記事「単純多段化と回転付与」のように、回転付与の補正ボーンが入ってるか、もしくはSDEFというウェイト塗りが使われている場合かの、主にどちらかが原因じゃないかと思います。
(もっと特殊なことしてるモデルもありますが、それはもうモデラーさん本人に聞くとか、詳しそうな人に直接聞くのが一番早いんじゃないかと)
補正ボーンの場合は前々回説明したので省きますが、SDEFの場合は単純多段化じゃなくて「多段化したかったボーンを、複製したボーンを付与親とする回転付与ボーンにする」という方法で、ある程度解決できます。
(最新版のPMXEditor(※PMDEditorではないです)を使えば、SDEFでも多段化して大丈夫になりました。)
この方法はSDEFじゃなくて、回転付与の補正ボーンの場合でも有効です。
というか大体なんでも使えます。

言わば「付与による多段化」という感じです。

追加方法は超簡単です。例として左ひじで。

この画面というのはモデルが映ってる画面のことです。
   ↓

   ↓
※1
   ↓


あとは追加された「左ひじ_op」を好きな名前にリネームして、表示枠に登録し、別名で保存すれば終わりです。
※1→もし追加したかったボーンに既に付与親がある場合は、その付与親になっているボーンに追加します。が、複雑な構造になっているとそれで上手くいかない場合もあるかもしれません。とりあえずトライ!


使いたいモデルがSDEFなのかどうか分からないよ、という方はこちらのプラグイン(どちらでも構いません)でチェックできます。
ででさんのskydriveのSDEF頂点選択プラグイン
T0R0さんのEtcPluginの中にあるSelectSDEF.dll
これらのプラグインを使って頂点が選択された状態になったら、そのモデルにはSDEFが使用されています。
SDEFが使われていたら最新版のPMXEを使う方が無難かもしれません。
ちなみにうちのバーナビーにも裸足モデル(の裸足部分)でSDEFが使われていますが、足の指を多段化とかそんな特殊なことしない限りPMDEで大丈夫かと。

プラグイン使うとこんな感じ。



さて「え、じゃあ単純多段化と付与による多段化って何が違うの?」という疑問が浮かんで混乱してきますね。
「どっちがいいの?」と思った場合は、モーションをちょっと修正する、という程度なら正直どっちでも良いです。やりやすい方法でどうぞ。

という訳で次は単純多段化と回転付与による回転の違いです。
一番異なる(と思ってる)部分を説明します。
(本当は同じ記事にする気だったのですが、長過ぎたので内容を分割しました。)


投稿者:

m6

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